Sunday, October 18, 2009

リベルタンゴ国際コンクール






またまたいつもの事ですが、ご無沙汰しており失礼いたしました。

この10月1日から来年2月中旬までの半年間、ドイツにあるデトモルト音楽院でマリンバの客員教授として指導にあたらせてもらっております。実はボストン音楽院を卒業後直ぐ、音楽のメッカとも言えるドイツに行ってもっと勉強したかったのですが色々な理由で実現できなかったので、こういう形でドイツに滞在させてもらえることに喜びを感じながら、一日一日を大事に過ごしてます。

そしてTeachingが始まって一週間後、昨年から気になっており、今回ドイツに滞在することが決まってから申し込んだ、イタリアでのリベルタンゴ国際コンクールに参加してきました。

このコンクールはファイナルラウンドまでアストル・ピアソラの音楽を演奏することが課題で、ピアソラ一色のコンクール。ピアソラの音楽にはまっている僕にとっては、よだれの出るようなコンクールです。当初、ソリスト部門ではピアノ・チェロ・バイオリン・バンドネオン・アコーディオン・サックスと、ピアソラの音楽がよく演奏される楽器を対象に参加を募集しておりました。でも、イタリアのコンクールであること、そしてピアソラの音楽を演奏することが課題なのでピアソラのレパートリーがある僕でも参加できるのでは、と思い、コンクール事務所に問い合わせ、参加させてもらえることになったのです。

コンクールは、ランチアーノというローマからバスで3時間の小さな田舎町で行われたため、前もって楽器の到着に不安を感じていたものの、案の定本番直前まで楽器の到着にやきもきするところもありましたが、素晴らしい伴奏者との出会いで、演奏も1次・2次・ファイナルと無事に終え、そして非常に光栄なことにソリスト部門で1位という、自分ではまったく予想もしなかった賞を頂くことができました。
(楽器の手配に協力して下さったこおろぎ社の多大なご支援には、感謝してもしてもし足りません・・・)

ピアソラの音楽は、タンゴの音楽に、クラシックやジャズ、そしてロックと様々な音楽を融合されてあり、様々な音楽のジャンルを組み合わせているからなのか、彼の音楽には人間の抱く様々な感情を感じさせる力があります。大学卒業後にマリンバ奏者・音楽家として道を見失いそうになったとき、偶然彼の音楽を耳にし、心が洗われ、そして救われました。

ただ、様々な音楽の融合であるピアソラの音楽の演奏方法に、クラシック音楽家として勉強してきた僕は色々と悩むこともありましたが、師匠のレッスンで教わった音楽の真髄である「心/感情」・「魂」を持ち続けて演奏してきてましたし、今回のコンクールの受賞は、自分の中であった様々な迷いに光を射してくれ、今後も彼の音楽を演奏していきなさい、と背中を押してもらえた気がします。

またまた、ピアソラの音楽に力を頂きました。感謝です。

今回のコンクールでも、色々な国のピアソラ愛好者と出会うことが出来ましたし、審査員の方々とも今後のお話など色々とすることが出来、とても充実したイタリアの旅となりました。

今回はまったくいい写真が撮れなかったのですが、町の写真と劇場の写真、そして本番の演奏の写真を載せました。