Sunday, August 25, 2013

8月23日 大館公演 「布谷史人 マリンバ・コンサート」

コンサートから2夜が開けたというのに、未だに興奮が残っているのか、それともただただその後の仕事に追われているのか。いやいや、前者でしょうね。今日も遅くにベットに入ったにも関わらず、かなり早起きをしてしまい、起きてからし始めた事務的な仕事の合間に、どうしても皆様にお礼のお言葉と、コンサート後の心境を語りたくて、ここにやってきました。

まずは、8月23日の演奏会にお越し頂いたお客様、そして開場には来れなかったけども成功をお祈り下さった方々には心より感謝いたします。

大館市を含む秋田県県北・田沢湖周辺での、8月9日の大雨の被害の爪痕はかなり大きい事はニュースで把握しているつもりでしたし、夏休みも終わり、更に加えて8月24日の大曲の花火・・・、と僕のコンサートのチケットが一週間前になってもほとんど売れない状況を非常に心配していたのですが、当日に会場のステージに上がってみて心底驚きました。もちろん嬉しい驚きです。約500人のお客様にお足をお運び頂き、素敵なお花と皆様の温かい声援、ゲストでお呼びしたフリーアナウンサーの石川文子さん、マリンバ奏者の誉田広耶君、そして同じくマリンバ奏者の沼倉真理子ちゃん、大館市民文化会館のスタッフの方々やお手伝いとして協力してくれた高校時代の同級生のお心強いサポートで無事に、というよりは、本当に心から楽しいひと時を過ごさせて頂きました。

現在34歳の僕は、中学校入学直後に入部した吹奏楽部で打楽器を初めてから、もう20年以上が経ちました。13歳から17歳ころまでの僕は、とにかく舞台に立って演奏することが好きで、高校2年の冬のアンサンブルコンテストで、初めて東北大会出場を決めた秋田県秋田市のアトリオン音楽ホールでの演奏は、舞台上で演奏している時のあまりの幸せさに、「このまま時が止まればいいのに・・・」と心から思ったことを今でも思い出します。

あの時の想い、そして音楽の楽しさを忘れられず、高校3年生の夏、急に思い立って音楽の道に進むことを決めてから、先日のコンサートまでの約17年の日々というのは、ステージが怖かったり、緊張して手が震えてコントロールが出来なくなる自分を恥ずかしく思ったり、音をはずしてしまったり暗譜がとんでしまう自分に腹を立てたり、コンクールなどで中々上位に入賞できなくて自分という存在価値を見失ったり、自分の湧き上がる感性と先生から受けた教えの違いからくるジレンマを感じたり、と、もちろん今思えばすべては僕の音楽人生の肥やしにはなっていますし、勉強の時期だったと思えますが、心の底から音を楽しむことを次第に忘れて行った時期でもありました。もちろんその間、指折りで数えるほどではありますが、何かの力に助けられたかのようにうまくいった本番もありました。

8月28日に発売する2枚目のアルバムのブックレットでも書かせて頂きましたが、そんな時期を経て、ドイツに移り住んでからスランプに陥りました。マリンバが弾けず、そして聴くことさえできず、マリンバの前に立つと気持ちが悪くなってしまう、そんな時期が続きました。その時期は、楽器に触れることを諦め、その代り自分と見つめる時間をたっぷり持ち、沢山の方々の優しさに助けられながら日々をゆったりと過ごし、今教鞭を取っているドイツの学校の生徒の演奏をレッスンで聴かせてもらっているうちに、インスピレーションとエネルギーが沸き、再びマリンバに、そして音楽に向かうことが出来ました。

とコンサートでは、普段表舞台では話す機会のない様な僕の中の突っ込んだ話まで、フリーアナウンサーの石川文子さんと楽しくおしゃべりを大館弁(大館語?)を交えながらさせてもらいつつ、8年前程に石川さんとご一緒させて頂いた時と同様、石川さんの司会進行で気分がとにかくおどり、心から気を許せる親友でもある誉田君、そして一番若いのにとにかく頼りになる沼倉真理子姫との共演、そして会場のお客様の心温まるご声援で、「このまま時が止まればいいのに・・・」という瞬間が何度も訪れた、心から楽しい!!と思えるステージを踏ませて頂きました。

多くの葛藤の中で続けてきた僕の音楽人生において、今回の公演は大きな自信につながるものとなりました。そんな時間を提供してくださった皆様、ここまで来る道のりで出会った沢山の方々の優しさには、心の底から感謝しております。ありがとうございました。

当日は200人入ってくれればいいなあ、などと、お客様の入りすら心配で、先行販売としていち早く演奏会場で発売したCDも、面倒くさいからという理由でとりあえず一箱100枚のまま会場に運んだのですが、完売してしまうというハプニング?があり、ここでも嬉しい驚きがありました。CDが売り切れで買えなかったお客様も沢山いらっしゃったようで、ご迷惑をおかけしてしまいました。申し訳ありませんでした。大館市内であれば大町の音の店「いわしや」さんで取り扱って下さいますので、どうぞそちらでお求めいただければと思います。

そして会場でのCD販売もその音の店「いわしや」の店長さんにお手伝いいただきましたのに、今回はご厚意でその手数料を受け取っていただけなかったのです。ですから、最終的には少しばかりとはなってしまいましたが、先日の大雨で被害にあわれた大館の方の何かの助けになればと思い、微力ながら寄付を昨日無事にさせて頂きました。あまりの微力で、大館市役所の方には話を大きくしないでください、とお願いしたのですが、大館ではマリンバをやっている珍しい人という事になっているので、今日あたり、市長にその義援金を手渡している模様が写真付きで記事になっているようです。石川さんに舞台で公言していただいたことは、無事に実行に移せた事をそちらでご確認いただければと思います。(大館市長、お忙しいところ、突然の訪問にもかかわらずお時間を割いてくださいまして、ありがとうございました。)

本来であればもっともっと沢山の義援金をお渡しできれば良かったのですが、ぶっちゃっけますと、大館での公演は基本的にいつも赤字なので、CDの売り上げの一部はその赤字の埋め合わせの一部にも当てさせていただきました。

演奏会の写真が今手元にありません。僕は基本的に演奏中のシャッター音が気になる人で、今回も写真屋さんに写真を撮ってもらわなかったのですが、今回は会場内でトーク中に携帯で写メ取っている人を数名お見かけしました。しかもあれってシャッター音でないんですね。もしこのブログを読んでくださった方で、その演奏会のお写真を撮った方がいましたら、是非そのお写真をお分け頂ければと思ってます。ホームページのお問い合わせページからご連絡いただければ、嬉しく思います。そうすれば、演奏会にお越しいただけなかった方も演奏会の様子を分かっていただけるかな?

という訳で、コンサートの写真が無い投稿となってしまいましたが、僕の想いを感じ取っていただけたら幸いです。長い文章になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

今日の夜からは東京に入り、日本での公演が続きます。大館公演の予兆も助けて、更に楽しみです。また、公のコンサートに関しては、この場やウェブサイト、そして最近やっと始めたFacebook
https://www.facebook.com/pages/%E5%B8%83%E8%B0%B7%E5%8F%B2%E4%BA%BA/1406093922946657
で、イベント等を紹介していきますので、また是非覗いてやってください。

Tuesday, August 20, 2013

FM秋田 ハチラジdeOh!!DATE そして8月23日の演奏会

日本は非常に、非常に、そして非常に暑いです。僕の今いる秋田県大館市は先日からの大雨、そして今もなお大気の状態が不安定なためか、今日も大雨、更に湿度も凄いです。日本に帰国する直前のドイツは、朝方一桁台の気温まで下がり、ヒーターも動き出すような日があったくらいで、この温度差と時差ボケで、僕の体はこの変化に対応しきれていない状態ですが、何とか元気に過ごしております。

ええ・・・このブログを今更更新して、どれだけの人が見て下さるかわかりませんが、今日8月20日(火)のお昼12時からラジオのFM秋田で放送される、ハチラジdeOh!DATEに出演しています。

この番組、うちの母がよく聴いていまして、ドイツにいる間も「こんなラジオ番組があるよ」と、何度も話は聞いていたのですが、放映された情報が載っている番組のブログをみると、本当に大館市の情報が満載で、活気の無くなりつつあった大館?と思っていた僕も、大館再発見ができ、「この店、前から気になっていたんだよなあ。」という所をカバーされていたり、大館滞在中は「ここに行きたい。」って思うお店の情報があったりと、大館人も、そうでない方も大館の魅力を感じて頂ける、素晴らしい番組です。

ブログ、是非覗いてみてください。

http://www.blog.fm-akita.com/hachirazi/


写真は、収録後、パーソナリティーの方と記念撮影したものです。

でも、非常に残念なことに、この番組は今のところ1年間だけの放送らしいのです・・・大館人としては、とーーーっても寂しいのですが。


8月23日(金)は僕の地元、秋田県大館市、大館市民文化会館でマリンバコンサートを開催いたします。今回は前回のコンサートで取ったリクエスト曲を元にプログラムを構成し、美空ひばりさんが歌われた「川の流れのように」、ユーミンの「春よ、来い」、秋田県民歌などをマリンバソロから、マリンバ3台用に編曲し、このブログにもたまに登場してくれている誉田広耶君、そして僕と同じく秋田県民、湯沢市出身のとても可愛らしい後輩でもある沼倉真理子さんと共演し、このハチラジのパーソナリティーであり(僕の初アルバムを持ってくださっている方です。)、非常に美しく、お話もとーっても面白くて、秋田県内外でご活躍で、更に僕と同じく大館出身である石川文子さんに司会進行をお願いして演奏会をします。

今回はチケットの売れ行きがよろしくなく、まだまだ席に余裕がありますし、今回は大館でデビューしてから10周年以上の年月が経ったことに感謝の気持ちを込めて、一般は1000円、学生は500円でコンサートをしますので、是非是非お越しくださいませ。





Thursday, August 01, 2013

2月から今日

ご無沙汰してしまいましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

最後の投稿が2月中旬でしたし、この題名を掲げて書き始めて最後どうまとめ上げられるか心配ですが、とりあえず重い腰を上げる決意だけはあったので、頑張ってみたいと思います。

まずは2月下旬、2枚目のCDの為の録音がありました。

この写真は、共演している誉田広耶君との録音が終わってから、「あっ、そういえば録音風景の分かる写真撮ってなかったなあ。」と、後から取ってつけたように撮ったので、僕の顔はかなり余裕に写ってますが、この録音は時差ボケとの戦いで、大変な思いをしながら録った思い出が強く残っています。

今回のCD作製は、オクタヴィア・レコードさんにお願いしました。日本の大手のレコード会社さんとのお仕事は初めてだったのですが、とてもスムーズに、前を見据えて取り組んでくださる所で、非常に楽しくお仕事をさせて頂きました。前回の録音とは違い、愛用させてもらっているこおろぎ社のマリンバでの録音でしたが(楽器を貸してくださったこおろぎ社さま、そして練習室を提供してくださり、楽器運搬を快く引き受けてくださったネオリアこおろぎの井澤さんありがとうございました。)、音もとても豊かで、ダイナミックに録ってもらえた気がします。こちらの件に関してはまた別の機会に宣伝させて頂こうと思いますが、今月8月28日に発売予定です。

そして3月10日、2011年3月13日予定され、東日本大震災の為に後援がキャンセルになったアンサンブルフェスタと題された演奏会が、地元秋田のアトリオン音楽ホールにて行われました。このコンサートでは秋田出身や秋田にゆかりのある演奏家が沢山集まり、デュオから20人ほどのアンサンブルまでの室内楽をプログラムするという、とても面白い内容の演奏会で、僕はバイオリン奏者の石亀協子さんとの共演をさせて頂きました。

実は石亀さんとは、2002年に一度パリでお会いしていました。そのときは、秋田出身の方だと知らずにお会いしたので、同郷の方に異郷の地でお会いできたことはかなりの驚きでしたが、その時に「いつか一緒に演奏できるといいですね。」なんて話していたことが、11年後、秋田の素晴らしい音楽ホールで実現するなんて、これまた凄い事です。舞台では、石亀さんの音にインスパイア―されながら、楽しく演奏させて頂きました。

音楽ディレクターの藤原さんにはこの場をお借りしてもう一度感謝いたします。ありがとうございました。

そして出演者の皆さんは、2011年3月に予定されていた方々と全く一緒で、中には仙台フィルハーモニー管弦楽団の奏者の方も多数いらっしゃいました。震災から2年が経ち、どういうお気持ちで過ごされていたかなど、短い間ではありましたがお話も聞くことが出来ましたし、復興はまだまだこれからなんだということを改めて認識する機会となり、僕の心にも大きく残る演奏会となりました。


そして今度は、4月。これは簡単に終わらせたいと思いますが、「カルメン・ファンタジー」を生徒の前で披露しました。フランツ・ワックスマンがそもそもバイオリンとオーケストラの為に作曲した作品で、バイオリンの名曲として沢山の奏者・聴衆に愛されていますが、どうしてもマリンバで挑戦してみたく、250ドル(約2万5千円)を払って購入しました。
普段は、生徒にああでもない、こうでもない、などと、口うるさく言っているにもかかわらず、自分が実際にその生徒の前で演奏するとなると、とってもとっても、とっても緊張するんですよね。そういう点も含めて、先生という役割というものを今でも勉強中ですが、とりあえずその演奏の録画をYoutubeで期間限定で公開しております。良かったら観てやってください。ピアノは栄愛さんです。

http://www.youtube.com/watch?v=Q_-uJa6kXTc

その直後からは、5月下旬に行われた打楽器アンサンブルグループの「Claviers de Lyon」マスタークラスに向けて、マレット・アンサンブルの集中リハーサルが始まり、時には土日返上で、これでもかというくらいかなり忙しい日々を送りました。普段から写真を取る癖が無く、折角のみんなの晴れ姿を写真に収めることなく終わったのが何よりも心残りなのですが、とにかく本当にみんな頑張りました。この機会で生徒それぞれがそれぞれの想いを抱いて臨んだようでしたし、僕自身も、マレット・アンサンブルの為に編曲したり、コーチングとしてここまで集中してマレット・アンサンブルをみる機会が無かったので、とても勉強になりました。

それが終わってからは、ZMF(ゼルツマン・マリンバ・フェスティバル)の準備に入りました。僕の師匠ナンシー・ゼルツマン先生のフェスティバルで、僕は何度か講師軍の一員として参加させてもらっていますが、今回はいつもよりも演奏曲が多く、フェスティバルの直前はまたいつものストレスフルモードで周りに文句言いながら、頑張りました。

フェスティバルは6月30日から7月13日まで、カリフォルニア州北の小さな町Arcataという所で行われました。練習で疲れ切り、更にドイツからの長旅で憔悴しきっていた僕ですが、僕の師匠や、ZMFで顔なじみの先生方や仲間に会うと、一気にその疲れも吹っ飛び、元気に幕開けることが出来ました。でもさすがに、インテンシブな2週間でしたし、2週目にはだんだんその元気も衰え、最後の方はどうやって最後まで乗り切ったのか意識が飛んでいたのですが、それでも終わってみると充実したものが心に染みわたっているのが感じられ、参加させてもらえたことに心から感謝しています。僕の先生は日本語は読めませんが、この場を借りて感謝したいと思います。ありがとうございました。

この写真は、フェスティバル最後の夜に、主にアジア人を募って撮った写真です。(その他の写真は、数日中に、マルチメディアの写真のページに掲載します。)

この写真の隣に書くのもどうかとは思いましたが、フェスティバルの行われたArcataという町はとても不思議なところで、街中に行くと、なんとなく1970年、1980年代のアメリカを思わせる、非常に独特の雰囲気がありました。住んでいる人もみんな楽しく、楽に生きているような人が多く、日中も街中で沢山の働き盛りの若者が目立ち、「いつ働いているんだろう」とちょっと疑問に思う所もありました。しかも、至る所で葉っぱ(分かる人は分かるかな)の臭いがし、凄いときにはスーパーマーケットの一角でそんな臭いがしていました。それだからリラックスした感じなのでしょうかね。




そのフェスティバルから戻ってきた後は1週間ほどポルトガルへ。南ヨーロッパはイタリアしか行ったことがありませんでしたし、そこで流れていた空気感が凄く新鮮で、楽しみでしたが、南西のポルトガルもまた清々しい天気と人に溢れ、美味しいサーモンを、同じレストランで毎食のように食べながら、英気を養いました。この写真も今手元にないのですが、後でこの場に貼り付けたいと思います。

という感じで、元気にやっています。8月中旬にはいよいよ日本でのコンサートの為に帰国しますが、そのコンサートのお知らせもまた追々この場で紹介させて頂こうと思っています。

それでは、お読みいただきましてありがとうございました。