3月12日にボストン音楽院で行われた、僕の山形大学(山大)の後輩でもある誉田広耶君のマリンバ・リサイタルに行ってきました。
山大の後輩とは言えども、僕が山大に在学していた時期とはまったくかぶっていなかったのですが(ということは彼は俺よりも随分の若者)、ちょっとした縁があり、彼とは確か5年近くの付き合いになります。山大を卒業後は、僕も辿ってきた道でもあるボストン音楽院に入学したということもあり、弟のように付き合わせてもらってました。(もちろん、この2人の関係の場合、弟の方が上手です。)
初めてきちんと彼のことを知ることになったきっかけが、彼の演奏を聞かせてもらうことで、それから5年間、機会がある度に演奏を聞かせてもらったり、色々な彼の身の上話を聞かせてもらったりしていたので、演奏会の最初の数音は、その彼の5年間の音楽の、そして人生の歩みを思いながら聴かせてもらってたのですが・・・
彼の音楽に対しての集中力、至る所で湧き出る表情の豊かさにのせて聞こえてくる「歌」に引き込まれて、そんな歩みなんか辿っているどころではない位、一観客として聞き入ってしまっている自分がいました。今までは聞き逃していたのか、それとも彼の中で持っていたものが新た引き出され、それが音色になったのか、今まで聴くことの出来なかった音への非常にきめの細やかな気配りが、僕には持っていないものだったりし、「凄い」と感嘆してしまう部分もありました。
マリンバソロオリジナル曲で始まったコンサートは、プログラムのほとんどがギターのソロ曲のアレンジものやマリンバを含む室内楽といった、曲の選択も順番も彼なりのコンセプトを持って組まれていたし、照明や演出にも彼のこだわりというか、彼らしさがいい風に出てました。最後の演出は「万歳」ものでした。ただ、31歳を迎えたばかりの俺には、字が細かすぎてまったく読めなかったのが残念でしたが・・・
2時間弱の演奏会はあっという間に終わり、文句なしのスタンディング・オーベーション。その演奏会の余韻は実に気持ちのいい爽快感で一杯でした。演奏会後の爽快感ってそう頻繁に感じるものではないのですが、彼がこのコンサートに向けて一生懸命でなおかつ大事に準備してきたこと、考えて考えて音楽を作り上げ、それが彼の音楽として魂から出ていたこと、そして彼の純粋さ・温かさがきっとそういう気持ちにさせてくれたのでしょう。
彼の今後、本当に楽しみになってきました。この6月で日本に完全帰国するので、日本の皆様、機会があったら是非聴いてやってください。
そして誉田君、また酒飲みに行こう!
(そうそう、彼はマレット巻き直しのかなりの、っていうかかなりの名人でもありますよ。)
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